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Interview
インタビュー

16 現地の人にまわりの人に認められる事業をやろう。

そのあとビジネスとして展開していく側面と、子どもの医療に対する貢献に、そのあと関わっていくことになるんですが、その辺りを聞かせてもらっていいですか。

川尻

ビジネスに関しては、そこからマイクロファイナンスというところへ。現地でビジネスをしたいけど、日本で言うと政策金融公庫とか保証協会みたいなところがお金を貸してくれる制度がありますが、東南アジアだと全ての人に平等にチャンスがない。だけど、そのビジネスモデルが素晴らしかったりするわけです。なので、そういう人たちに対して、小口 融資はやっていました。

そこから不動産がうまくいった後にマイクロファイナンスをやっていたんですね。

川尻

そうです。順番でいうと不動産で種銭を付くって、それを元にマイクロファイナンスをやりました。

マイクロファイナンスは本当に担保も取らず 貸す。手でお金を渡すということですか。手続きして口座に入れるでもなく。

川尻

そうです。日本で言うと考えにくいかもしれないですけど、貸す金額というのは小さいで す。1 万円とかそういう金額です。だけど最初に自分が担保を取らずにやっていたんですが、それが思いの外うまくいかなかったんです。

それは返ってこない?

川尻

返ってくる人もいたんですけど、そこで失敗したなと思ったのは、結構一気に貸したんですが、返ってこない人が7割ぐらいだった。それで一発目は失敗して、どうやったらそれが返ってきたんだろうといろいろ自分の中で反省して、次に何かを担保に取って、そのお金を渡すことにしたんです。
そうすると逆転して7割ぐらいが返ってくるわけですが、3割ぐらいの人が返せなくても、担保価値の半分ぐらいしかお金を渡していないので。例えば 10 万円する貴金属に対して5 万円ぐらいしか貸さない。昔の質屋みたいな感じです。なので、それが返ってこなくても逆に換金できる契約にしていたので、それでうまく回りだした感じです。

お金を貸すのって、同じ日本人同士だと、相手の人柄を見て、変な話ですけど信頼できるからとか、めちゃくちゃこの人うそを言っているというのは、わかりやすいじゃないですか。同じ民族同士というか、ちょっと付き合えばなんとなくわかってくる。
川尻さんがフィリピンの人を見たときに、担保を取ったとしても全員に貸すわけではない感じですか。それとも、見てもわからないから、とにかく貸してしまってという感じですか。

川尻

最初は全員同じ人にしか見えなかったので、どの人がいい人で、どの人が正直な人で、うそをついているかもほぼわからなくて、デユーデリ(=相手の価値算定)なんかしたとこ ろで多分どれが本当でどれがうそかわからないと思っていたので、逆に確率論でどれぐらい返ってきて、どれぐらいやられるんだろうというのを、データを取りながらやっていた感じです。

それは、のちにだいぶわかってくるようになるんですか。今の川尻さんは 10 年いたという流れの中で、フィリピンの人に会って話をしてみたときに、感じるとこがありますか。

川尻

百発百中ではないですが、大体そのプランを聞いたらわかるようにはなりました。

マイクロファイナンス、お金を貸すのをやっていたのは、どれぐらいの間ですか。

川尻

マイクロファイナンスとしては1年ぐらいで、そこからすごいお客さんが増えていったんです。貸すお金を預けたいという人が出てきてそのお金が利率で回り始めて、それを見たお客さんが、逆にいうとそれを預けて、毎月不動産に対して支払うお金を支払ってくれないかと言われたんです。

なるほど。運用みたいな捉え方でいいですか。

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